私たちtoiee Labのミッションは、
「ラーニングデザインを広めることで、人本来の学習メカニズムに沿った、より良い教育により、人類の前進に貢献すること」
です。
ラーニングデザインは、どのようなコンテンツを提供するか?だけでなく、ワークショップ設計や、教室の雰囲気、価値観、文化なども設計対象とします。
そして「学習者の体験」もデザイン対象となります。
学習者の体験をよくするために、テクノロジーを積極的に使うことは、とても大切です。例えば、AIも、正しく使えば、非常に良い学習体験を提供することにつながります。
今回紹介するSubstackは「学習者へコンテンツを届ける方法として、とても優れている」だけでなく、教える側の負担も大幅に減らしてくれます。
今日は、Substackのどのような部分が「教育に役立つのか?」を簡単に紹介したいと思います。
Substackとは?
Substackは、2017年に開始されたWebサービスです。開始されてしばらくして、「新しいビジネスモデルだ」「インターネットの形を変えるものだ」など、大きく取り上げられ、有名なベンチャーキャピタルが投資を行い、日本でも話題になりました
Substackは、
ライター、エッセイスト
ジャーナリスト
研究者
教育者
などのクリエイターが、独自にニュースレターや記事を簡単に配信し、それを収益化することができるサービスです。
Substackの主な特徴は以下の通りです。
簡単な設定: 専門的な知識がなくても、数分で自分のニュースレター(ブログ、メディア)を立ち上げることができます。
リストを構築する仕組み: 難しい設定をしなくても、すぐに登録(購読)の促す仕組みを作れます
有料化の仕組み: 無料と有料のコンテンツを自由に組み合わせて配信できます。
マルチメディア: テキストだけでなく、画像、音声(ポッドキャスト)、動画、文字起こし、読み上げ、ダウンロードなど、様々な形式のコンテンツを配信できます。
コミュニティ機能: 読者とのコミュニケーションを促進するためのツールが用意されています
短い投稿機能: Twitter(X)などのように、気軽に短い投稿を行う方法があります
アプリ: Substack専用アプリがあり、利用者はSubstackの記事だけを読むことができます。動画、音声の再生もスムーズで、ブックマークも可能です
分析ツール: アクセス解析、購読者数、コンバージョン率、オープン率、収益などの重要な指標を簡単に追跡できます。
決済システム: Stripeと簡単に連携でき、有料購読の管理や収益の受け取りが簡単に行えます。
その他マーケティングの仕組み: 自動でキャンペーンを行ったり、クーポンを発行したり、紹介特典を用意するなどが可能です
Substackは、個人や、小規模なチームが、直接的に顧客と繋がり、プラットフォームに束縛されず、メディアや知識を伝えるビジネスができるように設計されています。
集めたフォロワーのメールアドレスは、ダウンロード可能で、他のサービスに移動しようと思えばできます。このあたりは、noteとは大きく違います。
一部、教育分野で、オンラインコースの提供や継続的な学習サポートのツールとして活用されはじめており、学習者の体験をよくする上で、注目に値するサービスです。
具体的に、どのような機能があり、それが、どう役立つか?を説明します。
Substackの教育に役立つ機能とは?
Substackは、単なるブログツールではありません。教育者にとって、非常に強力で使いやすいツールの集まりです。以下に、その特徴と活用方法を示します。
無料で使える
Substackは、有料会員の売り上げの10%を支払う形式で、ビジネスを成り立たせています。全ての機能は、無料で利用できます。
無料でも、ニュースレター配信、音声配信、動画配信が可能です。音声、動画に関しては、通常のWebサービスでは有料機能でないと利用制限がかかりますが、Substackは、利用制限がありません。
また以下で説明する「プライベート設定」を使えば、招待制にして「受講者しか閲覧できない」サイトを作れます。この時、課金しなければ、完全に無料で利用できます。
プライベート機能
Substackは、完全にクローズドな「招待制」の環境を作ることができます。プライベート設定を行うと、招待された以外の人は中を全くみることができません。
受講中の生徒だけを招待して、記事、音声、動画、チャットを見られるように案内することが可能です。
専用アプリ
Substackは、専用アプリがあります。iPhone、Androidにインストールしてもらうと、モバイルラーニングの環境が出来上がります。音声、動画、テキストを配信できます。
それだけではなく、Chat機能にて、質問に答えてもらったり、特定の議論をしてもらうなども可能です。
専用アプリを自分で開発するのは、非常にコストがかかりますが、Substackを使えば無料です。
ニュースレター & 記事配信
多くの講座や、授業は「開講スケジュール」があると思います。例えば、春学期の授業は、全14回など決まっていると思います。
授業の前の予習教材、復習教材として、ニュースレターとしてコンテンツを配信することが簡単にできます。記事を書いて、公開すれば、同時にニュースレターしても配信できます。
この機能を使えば、「お知らせ」も行いやすいです。
読み上げ機能
記事には「Voice Over」という仕組みが用意されています。この仕組みを利用すれば、テキストの読み上げ音声を提供できます。
受講者の一部は、活字をよむことに苦手意識があったり、理解が難しいことがあります(多くは、トレーニング不足ですが、一部、遺伝的な要因もあるでしょう)。
このようなことにも、簡単に対応できます。
なお、読み上げ音声は、アプリを使えば、アプリが自動で読み上げてくれます。一方で、ご自身で録音してアップしても良いです。あるいは、低価格な「日本語専用の読み上げアプリ」で作成した音声をアップすることも可能です。
ファイルアップロード機能
Substackの記事の中では、資料ダウンロードを提供することができます。授業の資料や、ワークシートなどを PDF形式 にして、アップロードして、配布することができます。
他にも、さまざまな形式が可能です。
音声、動画 + 文字起こし
Substackは、外部サービス(YouTubeやVimeo)を利用せずとも、単独で動画をアップロードして配信できます。アップロードした動画は、
音声(Podcastに入れることが可能)
文字起こし
をしてくれます。
文字でキャプション(字幕)を表示しながら、動画をみることも可能です。
同様に、音声も自動で書き起こしを作ってくれます。書き起こしは、ダウンロードさせることも可能です。
Podcast機能
音声、動画、読み上げ音声は、全て「Podcast」にすることができます。Podcastアプリで読み込んでもらうと、もっと聞きやすくなるかもしれません。
移動中に、次々と音声を再生してもらって、事前インプットをして、授業に臨んでもらうことも可能です。
投票機能
記事を投稿する際に、アンケートを簡単に募集し、共有することができます。受講者の状態を全体とシェアしたり、あなたの授業の方向を決めるために、フィードバックを受けることができます。
検索機能(動画内、音声内も)
Webサイト上部にある検索マークで、キーワード検索ができます。このキーワード検索は、動画、音声の書き起こしテキストも対象になります。しかも、非常に高速です。
これらの機能を使って貰えば、過去の記事を探しやすくなります。
教える側のメリット
上記の機能と応用例は、一部に過ぎません。Substackは、シンプルでありながら、機能豊富です。Chat機能を使って、オンライン授業の直前に、zoomのURLを共有するなども可能です。
ITの専門家でないライターや、クリエイターが「誰の助けも必要とせず、自分で」コントロールできるように作られています。
つまり、機能が絞られ、シンプルで、使い勝手が良いのです。
動作も早く、動画、音声のアップロード、処理も高速です。自動的にさまざまなことをしてくれます。
Substackを使えばわかりますが、とにかく管理者側の労力が減ります。アクセス解析も、簡単ですし、デザインもできることが少ないので、諦めて「コンテンツ」に集中できます。
教える側の費用、労働コスト、学習コストを下げてくれて、毎日の運用も楽にしてくれるツールです。
まとめ
Substackは、教育に大いに利用できます。海外では、ここで紹介したような利用事例がいくつも見られます。Substackを使えば、
テキスト、読み上げ、音声、動画などで、教育コンテンツを多様に提供できます
Webサイト、アプリ、移動中の試聴など、柔軟な学習環境の提供ができます
継続的に投稿することで、学習サポートが可能です
コミュニティ形成と相互学習の促進が可能です
Substackは、私たちのミッションである「人本来の学習メカニズムに沿った教育」を実現する上で、非常に有望なツールだと考えています。
次回予告
今後も Substackの可能性についてさらに深く探っていきます。そして、このプラットフォームを活用した新しい教育にチャレンジする人が増えたら良いなと思っています。
より良い教育を作るには、テクノロジーを恐れたり、脅威とみなすのではなく、テクノロジーと人間性の調和を考えることが大切です。
Substackは、その1つです。
是非、Substackに興味を持ってください!
では、次回に。