📋 コーヒー * ラーニング講座シリーズ一覧
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新しい何かを始める、学ぶ、できるようになるのって、楽しいですよね。そのプロセスが、もう楽しい、楽しすぎる。
失敗も笑って、失敗から発見をして、前に進んでいく。そんな学びがたくさん含まれる「コーヒー入門」をお届けします。
今回は、コーヒー初心者を卒業するまでの4ステップを説明します。
ステップ1 : お湯を注ぐ技術を身につける
お湯を注ぐ「スピード」「場所」を自在にコントロールできる技術が、お湯を注ぐ技術です。
具体的には、以下の4つになります。
一定の速度(ドバッと出たり、少なく出たりせず、安定させる)
速度を使い分ける
回し入れても、速度を維持できる
狙ったところに、お湯を落とせる
これれが自由自在にできるようになると、コーヒー豆に合わせて調整して、その豆のポテンシャルを引き出せたり、自分の好みの味に寄せることができます。
この技術を習得するのは、意外に難しいです。とはいえ、毎日入れる中で、練習すルコとで、上達していきます。
ステップ2 : メンタルモデルを構築する
メンタルモデルとは、
メンタル = 心の中、脳の中
モデル = 模型、シミュレーター
のことです。
私たちは、生まれ持った世界を理解するためのメンタルモデルだけでなく、後天的に学習してメンタルモデルを身につけることができます。
コーヒーの場合は、「コーヒーの成分が抽出される物理現象」がメンタルモデルになります。
具体的には、
温度88度
豆20g、お湯を300g
注ぎ方、最初に70gで蒸らしをして、45秒まってから、次は50gをかき混ぜるように注いで・・・・
としたら、どのように物理現象が働いて、どんな成分が抽出されて、どのような味わいになるか?を予想するためのものが、メンタルモデルです。
あるいは、コーヒーを購入したお店で推奨されている入れ方を見て「なるほど、こういう感じの味になるのね!」と予想できるようになるのがメンタルモデルです。
以下のような変数(パラメーター、調整要素)から、どうなるか?を予想し、的中させられるようになれば、まずは初心者脱却でしょう。その先は、多分、焙煎の様子とかになると思います。私は、そのレベルにはありません。
抽出時間によって、出る成分(味)が変化していく
焙煎度によって、成分の出るスピードが変わる
粒度(細かさ)によって、成分の出るスピードが変わる
お湯の温度によって、成分の出るスピードが変わる
成分が溶け出す限界(飽和)がある
上記は、いわば物理シミュレーションでもあります。
脳内で、物理シミュレーションができると、私たちは「逆解析」を簡単にやってのけられます。おそらくは、逆に解析しているのではなく、演繹的なシミュレーションを並行してやってのける上、ヒューリスティクスと呼ばれる発見的手法を一瞬でやってるんだろうと思います。大規模言語モデルの内部で起きているものに近いかもしれません。
↑なんのこっちゃ(気にしないでください)
ステップ3: いろんな豆を楽しむ
物理シミュレーションができてくると、さまざまな豆を楽しめるようになります。
酸味が強いもの
甘味が特徴的なもの
麹で発酵させたもの(めちゃくちゃ美味しい)
深く焙煎されて、油ギトギトのもの(これは、これで美味しい)
華やかな香りがするもの
それぞれに合わせて、どう入れると美味しくなるか?をあれこれ試して、自分なりに「このレシピで入れよう」と考えつけるようになります。
何度か入れている間に、「うま!」「俺天才!(当人比較)」と思える瞬間があります。
ステップ4: テーマを持って淹れる
初心者脱却、中級者か、上級者の一歩前か。とにかく、「テーマを持って入れる」に進みます。テーマとは、
オイリーなパスタを食べたあとに、最適な一杯
午前中の仕事の休憩として飲む一杯
おやつ時間、妻の好みに合わせてチョコと一緒に出す一杯
このように「テーマ」というか、おもてなしとして、どのようなコーヒーが良いだろうか?と考えて、淹れます。
ここまでくると、お茶を習っている人みたいですよね。
まとめ
コーヒー沼にハマる4ステップを紹介しました。このステップは、同時並行して構いません。前に戻ったりもOKです。大抵は、前後します。
なぜなら、「いろんな豆を楽しもう」としたら、別のドリッパーが欲しくなったりします。そして、そのドリッパーを使いこなそうとすると、お湯を注ぐ技術が足りないことに気づいたりします。そうなれば、お湯を注ぐステップ1に戻ることになります。
あえてステップにしましたが、縛られる必要はありません。
行ったり来たり、並行させたりして、「自分のラーニング」を活性化させることが大切です。
次回は「お湯を注ぐ」について、詳しく解説します。
ラーニングデザインのヒント
何かを学ぶプロセスを設計するとき、最初は物理的なものや、基礎的な動作から始めます。次に、その動作を手段とする1つ上の目的をテーマとして学習します。これを繰り返して、徐々に抽象的なものへと進むように設計します。
コーヒーの場合、
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